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日本向けの牛は、特にNZの中でも「産乳性」、「繁殖性」、「低体細胞数」、「耐久性」にすぐれた牛に重きを置いて選択しています。 もちろん、乳成分(乳蛋白、脂肪)も高いです。



日本で産まれたNZの子牛たちのページへ

2012.6.13
日本で産まれたNZ系統の子牛たちの情報を掲載しました。

2012.5.9
種雄牛の評価データを更新しました。左の種雄牛のリンクからご覧ください。

2011.9.7
「ニュージーランド凍結精液のご案内」カタログを発行しました。カタログのご請求は資料請求フォームからどうぞ。

2011.5.10
ベビーグランド」と「スーパーソニツク」のページに、乳蛋白の遺伝子形について追加情報を掲載しました。

2011.4.26
「NZ精液の特徴」、「参考資料/FAQ」、「LICについて」、「種雄牛データの見方」のページをアップしました。

2011.4.21
ニュージーランドのホルスタイン・フリージアン種精液の専門サイトを開設しました。



   
サイト更新日
2012/6/13


 この度、NZのLICの種雄牛の精液を日本国内で供給出来るようになり、大変嬉しく感じております。お客様のご要望があってから、十数年以上。様々な方のご支援をいただき今日に至ることが出来たことを、この場を借りて深く感謝申し上げます。

「米国でもLIC精液需要」

 NZと言えば、いまさら申し上げるまでもなく、酪農立国で有名ですが、工業先進国のなかでこれほど酪農の比重が高い国はないかと思います。日本の自動車産業のように、その生産物の多くが輸出に回されるため、価格は、国際市場価格という所与で決定され、利益を出すために効率的生産を行い、生産コストを如何に抑えるかが産業の大きな目標でした。たどり着いたのが、温暖な気候を比較的優位ととらえ、放牧による牧草地の有効利用で土地生産性を最大にすることでした。 

時代が変わり、穀物の高騰から放牧による牧草の利用が見直されており、米国でもNZ型の放牧を推奨する乳業団体が出現し、NZの精液の需要が急速に増えています。LICはアメリカに支店を設け、より本格的販売を目指しています。

「NZのLIC牛の特徴」

1)「小柄な牛?」 

 牛が小さいか、大きいかはNZの牛の議論で、真っ先に出る話題です。LICの何人かの専門家に聞いたことがあります。小さい牛を選ぶことは一切ない、ただ、体重あたりの能力を評価する方法を取るため、海外と比べると小ぶりな牛が多いのは事実とのことでした。体重が選抜の基準に正式に導入されたのは、比較的最近のことですが、飼料から乳生産物(NZでは、乳蛋白、脂肪)に換える変換率が体重と負の相関があるという事実に基づき決定されたものです。従って、放牧を中心に、牧草で牛乳を生産したいと願う人にとっては、お勧めです。

 しかし、ご存知のように、牛の体の大きさは絶対的なものでなく、育成段階での栄養供給と関係しています。従って、国内の牛と同じような飼育をすれは、間違いなくNZにいる牛より大きくなります。 

2)「全てNZの遺伝子?」 

 NZの乳牛は、世界的に見ると年中放牧出来るという恵まれた環境下で飼育されているので、改良もNZの中で閉じた形で改良が進められていると想像されている方が意外に多いのですが、これは事実とは異なります。世界中から良いと想像される種は、試用しています。したがって、NZより輸入する種雄牛の祖先に世界的に有名な牛も見られます。しかし、それらはNZの飼育環境下で再度選抜されたものです。

 LICは血統のインジケータで、NZのオリジナル遺伝子が何パーセント含まれているかを示しています。目安になるのでご利用いただければと思います。

 近交係数も表示されていますが、極めて低く、先ず、どの牛との交配でも問題がないと考えています。

 LICでは、ジェノミックスと言う最新技術を駆使して、信頼性の向上に役立てています。あくまでも、選抜等は従来法で行い、遺伝伝達の信頼性をそれらによって強化しています。これはNZの授精市場の78%のシェアをもつLICだからこそ可能な技術の一つです。

3)「穏やかな気質」

 2010年現在のNZの酪農の一軒当りの平均飼養頭数は366頭、世界で抜きん出た規模を誇りますが、作業は2〜3.5人程度で行われます。少人数で多頭数の牛を搾乳が出来るように、「気立て」の良い牛であることが重要で、この点に比重をかけて改良が進められてきました。

 しかし、活力に溢れている必要があります。ニュージーランドでは季節分娩で、春先一斉に生まれる子牛達は、牧草地の上で哺乳(沢山の乳首のある器具で)されます。これによってガッツのある牛が残るとされており、家畜改良のデータには現われませんが、穏やかでも活力はある牛です。

4)「優れた草から乳への変換効率」

 NZの牛の特徴は、草を牛乳(MS:タンパク、脂肪)に替える効率が高いことです。統計データから、酪農家一軒あたりの平均出荷乳量は140万kgで、農場の平均の広さは131ヘクタールですので、1ヘクタール当り10687kgの牛乳を生産します。飼料の85%が放牧による牧草採食です。残りの多くが乾草、サイレージ、コーンサイレージですので、効率の良さはご理解いただけると思います。なお、この牛乳の成分は乳脂肪が4.7%、蛋白3.7%を含んでいます。(NZ Dairy Statistics 2008/2009)

5)「繁殖能力」

 NZの低コストは、季節分娩なしには語ることが出来ません。なぜなら、サイレージや、乾草などの貯蔵飼料にすると処理過程が入り、コストアップになるためです。 

これらの貯蔵飼料を最小限にする方法は、草の伸びに牛の飼料要求時期を合わせます。具体的には泌乳のピークを草の伸びの良い春に合わせます。当然、毎年継続させるため、分娩間隔は一年でなければなりません。国際的なICARのデータ(2006)によると、国全体の分娩間隔は367日です。分娩後、発情が速やかに戻り、また受胎するように改良されています。


Green to Gold, VOLUME 6, NUMBER 3
GREENER PASTURES
(アメリカの有機酪農の事例)

6)「脚腰の強く、放牧向きの牛」

 搾乳ごとに搾乳施設と圃場を行き来する丈夫な脚腰を備え、牧草の採食にも適した体型をしています。

7)「LICの日本向けの牛の選抜」

 NZでの取引は乳成分、日本では乳量にウェイトを置き次に成分で行なわれるので、日本向けの牛は、NZの種雄牛の中でも乳量が出て、繁殖成績が特に優れたものを、LIC(NZの全酪農家団体の家畜改良部門で、NZの78%精液を供給する組織)の専門家が選択しました。勿論、蛋白、脂肪の改善も可能です。

 専門家は、日本の牛の改良は既に世界のトップにあるので、遺伝的にも離れ、今までにはない特徴の種雄牛を用いることで、放牧する農家にとっては大きなメリットを享受出来ると期待しています。

 脂肪や、蛋白成分の改良はすぐに現われるのに対して、受胎性などの繁殖の改善は一世代では難しいこと、また、体は若干小ぶりになり、乳量が下がる傾向はあることを事前に念頭にいれて欲しいとのですので、付け加えさせていただきました。


サージミヤワキ株式会社  www.surge-m.co.jp

Dear Dairy Farmer in Japan

I am pleased to advise that LIC will start supplying semen to dairy farmers in Japan through Surge Miyawaki Co, from the 2011 season.

Livestock Improvement Corporation (LIC) is a dairy farmer owned cooperative and is one of the largest integrated dairy herd improvement organisations in the world. 

LIC started to study the opportunity to export our semen into Japan in 1995 to solve some problems that dairy farmers who do intensive grazing system like NZ.

From 2004 to 2006, I had the opportunity to work as Asia Regional Managing Director of Fonterra Ingredients, and President of Fonterra Japan (joint venture with Nissei Kyoeki) in Tokyo . I could understand some of background of dairy farming in Japan . Of course, regarding livestock improvement looks a little bit different due to different farming style.

We have selected the best bulls to meet Japanese market requirements. Their daughters will be good milk producers, very fertile and are noted as long lasting in an industry where dairy cows average 4.5 lactations. 

There should not be inbreeding or calving issues with either bull when mated to Japanese and US Holsteins. Of course, each bull has the ability to improve many more traits and are especially bred for predominant or partial grazing systems but will perform very well in confinement systems also.

Mark Dewdney
Chief Executive

日本の酪農家のみなさま

 2011年よりLICが日本の酪農家の皆様へ、サージミヤワキ株式会社を通して精液供給が開始できることを喜ばしく思います。

 ライブストック・インプルーブメント・コーポレーション(LIC)は酪農家たちが出資する協同組合であり、乳牛の改良を総合的に行う世界でも最大級の組織です。

 LICは1995年より、NZのように集約的な放牧を行う酪農家が抱える問題を解決するために、日本に私達の精液を輸出できるよう、取り組み始めました。

 2004年から2006年にかけて、私はフォンテラグループのアジアの地域担当マネージャーとして働く機会があり、東京で日本のフォンテラ・ジャパンの代表を務めました。(日成共益との共同事業)日本の酪農の背景については、理解できますし、もちろん、家畜改良については酪農のスタイルが異なりますので、少し違いがあります。

 私達は日本の酪農市場をふまえ最高の種雄牛を選びました。それらの娘牛たちの乳生産能力は優れ、繁殖能力も高く、平均して4.5産というNZの酪農の中でも非常に長持ちのする牛たちになるでしょう。

 日本やアメリカのホルスタインに授精させても、近親交配や分娩の問題は起こらないでしょう。もちろん、これらの種雄牛は非常に多くの形質を改善する能力があります。特に放牧システムでの利用に適していますが、それ以外の飼養環境でも非常に良い能力を発揮すると期待しています。

最高経営責任者
マーク・デュードニー


Livestock Improvement Corporation (LIC)  www.lic.co.nz
Livestock Improvement Corporation (LIC) (旧NZデーリィボード家畜改良部門)日本総代理店
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